←ニックを演じるユアン・マクレガー。(映画より)
素敵、ユアン。 最後の記者に囲まれるシーンが好きです。
『マネートレーダー 銀行崩壊』は、たった一人で名門銀行を破綻に追い込んだ実存の元トレーダー“ニック・リーソン”の獄中手記を映画化したもの。
ニック・リーソンは、ワーキングクラス(父親は左官職人)出身で、学歴もなく(高卒)、ベアリングズ銀行に入っても普通なら一生事務員で終わるところを、インドネシアのジャカルタ支店で債権処理問題を任されたことから出世の糸口をつかむ。
本物さん。ホントにこんなハッピを着ていたのね↓
彼はSIMEX(シンガポール国際金融取引所)の先物取引部門責任者に抜擢され、赴任して1年経つ頃にはベアリングズ銀行の利益の一割を稼ぎ出すまでになっていた。しかし1995年1月17日、阪神淡路大震災で日本市場が暴落した時、ニックは一日で5,000万ポンドもの損失を出してしまった。その後持ち直すかと見られた相場も下げ止まらず、損失を一気に取り返そうと賭けに出たニックの思惑は外れ、架空取引口座(Error
Account 88888)の損金は加速度的に膨れ上がる。2月末ついに辞表を提出しシンガポールからボルネオに逃亡。事件が明るみに出てみると、損失は約8.6億ポンド(約1,380億円)という莫大な額に膨れ上がっていた。
妻とともにアブダビ経由フランクフルト行きの飛行機で逃亡したニックは、フランクフルトで逮捕後シンガポールに送還。懲役6年半の実刑判決(詐欺罪)を受けるが、服役中に結腸がんが発見される。このため刑期を3分の1残して釈放が認められた。 現在はガンの早期発見キャンペーンを進めるチャリティ団体で活躍しているそう。
この『マネートレーダー/銀行崩壊』のプロモーションで来日したのは、なんと張本人。 よく来た、ニック。
インタビューで、「毎日辞めたいと思っていました。今日捕まるんじゃないかとビクビクして・・。」と言ってました。
ええ、そりゃそうでしょう。 ストレスで親指の爪をなくなるほど噛みちぎり、引き出しに入れた山ほどのチョコやキャンディは、毎日あっというまになくなってしまったそうです(そういえば、映画でもスニッカーズみたいなのを食べまくってたなぁ〜)。 結腸ガンももしかしたらこのストレスが原因なんじゃないかと思わずにはいられない壮絶な日常生活。 まさに身を削って働きました、ニック・リーソン。 元はといえば、部下のミスを埋めようとしたのが始まりだったわけですし、なんだか可哀想な気がします。 ―本人、いい人そうだしさ・・・↓
【写真左】 シンガポールに送還されるところ・・・・・でしょうか?
【写真右】 こちらは裁判に出廷するところ・・・・・でしょうか??
しかられ坊主のような表情が、涙を誘う・・・ような誘わないような